

こんにちは。今回は1978年(昭和53年)11月のWBC、12月のWBAのウェルター級の世界ランキングです。 後の「黄金のミドル(中量級)時代」の超スーバースター達がチャンピオンになる前のランキング表です。チャンピオンであるべきはずのスーパースターが「ランキング〇位」というのも不思議な感覚ですが、まあ、順序としては当然のことで・・・。皆さんも是非ご覧ください。


シュガーレイ・レナード

レナードは、1976年モントリオールオリンピックの金メダリスト(ライトウェルター級)。翌年プロデビュー、 デビュー戦からTV中継され早くからスターとして注目され、 明朗快活なイメージから爆発的人気だったようです。平成の怪物「松坂大輔」のデビュー当時の感じでしょうか?「黄金のミドル」のメンバーの中では一番クリーンな正統派というイメージです。後に階級を変え5階級制覇を成し遂げます。詳細については別な機会に。
トーマス・ハーンズ

ハーンズは「怖かったー!」というのが強い印象です。実際には「強かったー!」のでしょうが。だって、この人のニックネームは「殺し屋(ヒットマン)」ですから。当時中学生の私から見るとレナードの「明」「正統」「主役」「エリート」に対し、「暗」「異端」「悪役」「たたき上げ」ですね。でも圧倒的な強さのために人気もありました。後のレナードとの統一戦の時には私はハーンズ派でしたから。怖かったけど大好きでした。「はじめの一歩」の間柴のモデルです。左腕をだらりと下げたデトロイトスタイル(ヒットマンスタイル)から放つフリッカージャブと強打、マシンガンのように繰り出すラッシュで対戦相手をなぎ倒す強さを見せる一方、典型的なグラスジョー(あごが打たれ弱いこと)であったため一発に泣かされることもあった。まさしく「間柴」です。ハーンズもレナードと同じく5階級制覇を成し遂げます。


ウイルフレッド・ベニテス

ベニテスは、「黄金のミドル」のビッグ4からは外されますが、17歳で世界タイトルを獲得し「早熟の天才」と言われています。初タイトル獲得の3年後には2階級制覇。そのウェルター級の2度目の防衛戦でレナードにタイトルを奪われます。しかし、2年後に3階級制覇、ビッグ4のひとり、「石の拳ロベルト・デュラン」の挑戦を退け、そして、同じくビッグ4のハーンズに奪取されます。キャリア晩年には重度のパンチドランカーの症状に悩まされ、引退後には廃人同然の彼は一人でまともに生活できないどころか自分を認識できないほどの心神喪失状態になってしまったようです。2020年現在、まだ61歳のはずです。 もうひとつでもビッグファイトに関わっていたら「ビッグ5」と呼ばれていたかもしれません。ほんとドラマティックなスポーツですね。
昭和53年、何してましたか?

昭和53年12月は、我々昭和40年生まれ男たちは中学校1年生。まだ子供だけで映画を観に行く年頃ではなかったですね。この年は、トラボルタの「サタデーナイトフィーバー」を観に近所の先輩に連れられて行った記憶があります。高倉健&薬師丸ひろ子の「野性の証明」これは同級生と行きました。この頃は、ピンクレディ・山口百恵・世良公則&ツイスト・アリス・沢田研二・西城秀樹、他多数ヒット曲が多かった。「ザ・ベストテン」の影響もあるのでしょうか?渡辺真知子の「かもめが翔んだ日」とか「みずいろの雨(八神純子)」とかよく歌ってました。
1978年11月、WBC ウェルター級ランキング
さて、ランキング表です。WBC(世界ボクシング評議会)のウエルター級。体重は140~147ポンド(63.50超66.68kg)以下。(1978.11.29発表)
WBC 1978.11 | ウエルター級 ~66.68kgまで |
Champion | カルロス・パロミノ (メキシコ)⑦ |
1 | ウイルフレッド・ ベニテス (プエルトリコ) |
2 | デーブ・グリーン (イギリス) |
3 | ハロルド・ウエストン (アメリカ) |
4 | ダニエル・ゴンザレス (アルゼンチン) |
5 | ミゲル・カンパニーノ (アルゼンチン) |
6 | セグンド・ムリリョ (エクアドル) |
7 | トーマス・ハーンズ (アメリカ) |
8 | ペドロ・ロハス (ベネズエラ) |
9 | ピート・ランザニー (アメリカ) |
10 | シュガー・レイ・ レナード (アメリカ) |
1位・7位・10位に注目です。
1978年12月、WBA ウェルター級ランキング
続きまして、WBA(世界ボクシング協会)のウエルター級。(1978.12.12発表)
WBA 1978.12 | ウエルター級 ~66.68kgまで |
Champion | ホセ・クエバス (メキシコ)⑦ |
1 | ミゲル・カンパニーノ (アルゼンチン) |
2 | ハロルド・ウエストン (アメリカ) |
3 | アンヘル・エスパダ (プエルトリコ) |
4 | ウイルフレッド・ ベニテス (プエルトリコ) |
5 | ピート・ランザニー (アメリカ) |
6 | シュガー・レイ・ レナード (アメリカ) |
7 | ハロルド・ ボルブレッチ (南アフリカ) |
8 | スコット・クラーク (アメリカ) |
9 | ダニエル・ゴンザレス (アルゼンチン) |
10 | 竜 反町 (日本・野口) |
こちらは、4位と6位に注目。ハーンズが入っていませんでした。10位には、日本人「東洋・太平洋チャンピオン」の竜 反町が入っています。
1978年当時は13階級。現在は17階級に。
当時と比べると現在は、4階級も増えています。王座認定団体も現在は4団体に増えチャンピオン乱立時代ともいえます。当時の偉大さを再認識させられました。
今後も、年代・階級を変えて定期的に更新していきます。ご希望などありましたらお知らせください。楽しんでいただけるものを投稿します。
今回は以上です。